契約までの流れ

捜す前の情報収集 / 物件の下見 / 物件の選定 / 契約内容の確認 / 納税、登録、申告 / 諸経費について / 賃貸契約書の全文(和訳)

A. 捜す前の準備と情報収集

1.会社の上司か同僚に打診

まず、会社の社宅の担当者に社宅の規則を打診する。例えば、予算はいくらまで、地域の制限があるか、専任のエージェントがあるかなど。

日本人駐在員管理職の一般予算

予算 (HK$/月賃) 実用面積 (sq.ft.)
単身 20,000 ~ 25,000 300 ~ 500 [ 1 LDK]
2人 25,000 ~ 30,000 500 ~ 600 [ 2 LDK]
3人 30,000 ~ 35,000 600 ~ 800 [ 2 ~ 3 LDK]
4人 35,000 ~ 45,000 800 ~ 1,000 [3 LDK ]
5人 45,000 ~ 55,000 1,000 ~ 1,300 [3 ~ 4 LDK]

2.エージェントの選び方

殆どの日系会社は親しいエージェントがある。その場合には会社に推薦してもらって安心。ない場合には、まわりの人から聞けば大抵分かるので、出来るだけ評判が良い1、2社に頼むと良い。

また、各日系デパート、日系書店、日本人クラブ等にいろいろな日本語の賃貸情報誌が無料配布されている。また時々日本の新聞にエージェントの折込みチラシ が入っているので、気をつけてみるとよい。

良いエージェントの基準
  • 情報が豊富で、日本人の要望を確実に素早く対応できる体制が整っている。
  • 意思をきちんと伝えられる日本人スタッフか、あるいは日本語堪能なスタッフがいる。
  • 時間の無駄のないよう、条件に合いそうな物件だけ見せてくれる。
  • 入居後の面倒もうまく見てくれる。
  • 仲介手数料は、通常家賃の半月分。

B. 物件の下見

情報を収集し、条件設定も決まったら、エージェントを選んで部屋捜しを始める。エージェントに条件を伝え、時間を約束して、幾つかの物件をアレンジしてもらう。通常専用車で会社まで迎えに来てもらう。

一度の案内で決める場合は珍しくないが、2―3回の下見をお勧めする。とても良い物件だったら、他のお客さんにも狙われる可能性が高い。早いもの勝ちの世界なので、よくエージェントか先輩と相談し て即決した方がいいかもしれない。ただ悪徳のエージェントは早く決めて欲しいために、いろいろな理由をつけてせかすケースも多いので、注意が必要。

C. 物件の選定

内装や家具の状態は表示とはかなりの落差があるので、よく確認し、水回りなど最低限のチェックを忘れないようにしよう。いくつか物件を見る際にはチェックした内容を必ずメモしておくとよい。適当な物件があったら、希望条件を交渉してもらう。交渉結果がそのまま契約条件となるので慎重を期したい。

日本人と香港人の生活スタイルと文化差異により、内装と家具の内容について見方が違うので、条件が合わないからといって簡単に諦める必要はないと思われる。次の表でよく日本人が要望する家具や内装に難度スコアをつけてみよう。

家具内装
ダイニングテーブル&椅子、ソファー、ベッド、コーヒーテーブル、TV台、靴箱、サイドボード、化粧台、エアコン、クローゼット、照明、カーテン、台所キャビネット
勉強机、タンス、TV、洗濯機、冷蔵庫、換気扇、ガスコンロ、電子レンジ、電話機
大型食器棚、オーブン、FAX、炊飯器、乾燥機、除湿機、掃除機、オーディオセット、遮光カーテン
ウォシュレット、食器洗い機、浄水機
ペンキの壁に壁紙を貼る、暗い木の床を明るい木の床に変える、浅いシンクを深いシンクに変える等の大改装

もし家具がまだついていない場合、適当な予算をもらって自分の手配で好きな家具を購入するのも交渉の一つである。

また、「物件を選ぶと同時に、家主さんも選んだ方がいい」という説もある。その理由は、入居後の室内のトラブルに関しても、優しい家主さんならその面倒も見てくれるからである。可能であれば、気に入った物件を再度見に行く時に、家主さんにも来てもらってちょっと話してみれば、大抵感覚がつかめるだろう。

D. 契約内容の確認

契約の際にはエージェントが契約書を用意してくれるが、各エージェントによって書式、内容に若干違いがあるから、サインをする前に次の点を確認しておこう。

1.契約名義 (Registered Name)

家主名義が正しく記載されているか。これは政府の土地課から「Land Register」 (図1) という登録証明をもらえ、そこに法的な家主(法人か個人)の名義が記載されている。念の為エージェントからもらっておこう。また、契約書にサインする人が家主ではない場合、必ず家主がサインした「委任状」(Power of Attorney)を見せてもらおう。

2.契約物件 (The Premises)

自分が下見した物件の正式住所を確認する。駐車場付きの場合、その番号を明記してもらう。屋上付きの場合「屋上付き」の文章も入れなければならない。

3.契約期間 (Tenancy Period)

契約期間は通常2年間である。途中退居の場合には罰金か満期までの家賃の支払が課せられるので、必要があれば解約事項を追記してもらう。例えば2年契約だが、1年目が経過したらいつでも2ヶ月前に通知を出せば解約できるとの文章を入れておこう。

4.契約家賃 (Rent)

金額が正しく記載されているか。家賃に管理費(Management Fee)、不動産使用税(レーツRates)、駐車場代などの料金が含まれているか。日系企業の場合は殆ど家賃込みで契約する。いずれにしても管理費とレーツの金額は載せないので、予め諸経費を聞いておいた方がいい。

5.保証金(敷金) (Security Deposit)

通常家賃の2ヶ月分だが、場合によっては家賃の3ヶ月分となったり、あるいは管理費とレーツ等の保証金も要求されることもありうる。

6.家具、電化製品等 (Furniture & Electrical Appliances)

家具の内容を確認した上、リストを添付してもらう。

7.仮契約 (Provisional Tenancy Agreement)

決めた物件の家主との交渉がまとまったら、仮契約書 (図2) を作ってもらう。1ー6の内容は必ず明記しなければならない。入居時までに修理や掃除等を要求する場合があれば、これも併記しておく。双方がサインをして、同時に家主に手付金(通常家賃の1ヶ月分)を支払う。借家人側が仮契約を破棄した場合は没収される。家主側が破棄した場合には倍返しとなる。ただし今ほとんど省略ちる……

8.本契約 (Tenancy Agreement)

入居日(あるいは契約発生日)が近付いたら本契約書(2部)にサインする。香港住宅賃貸の法律により、双方の義務を細かく記載した本契約書 (図3図4) を作成してもらう。内容を確認した上で、現地に行って家具が揃ったか、修理が完了したかチェックして、問題がなければ本契約書にサインする。 同時に保証金等を家主に支払って鍵を渡してもらう。仮契約をした時に支払った手付金は1ヶ月目の家賃に当てられる。

本契約は出来るだけ入居日と同じ日に行なったいいが、入居日の前に行なう場合、交渉によって先に鍵を渡してもらえる事もある。尚、鍵を渡してもらった時点で、電気水道ガス等のメーターも読み取り、「Hand-Over Form」(入居の引き渡し書)に記載しよう。あとから支払いの相殺の根拠になる。

以上の本契約書は一般的には定型化されたものを使用することが多い。殆どの賃貸専門エージェントで作成してもらえるが、弁護士に作成してもらう場合、別途弁護士料としてHK$3,000-5,000位を支払うことになる。

E. 納税、登録、申告

賃貸契約が成立した30日以内に香港政庁に印紙税(Stamp Duty)(図5) を収めて契約書にスタンプを押してもらわなければならない。 最近では、e-stampもできるようになり、インターネット上で香港政庁に支払を行う場合もある。それはエージェントに代行してもらう。また、契約年数が3年以上の場合のみ、政府の土地課に契約書を登録しなければならない。登録の必要があれば弁護士に代行してもらう。通常3年か3年以下の契約が殆どなので、登録手続きは省略する。尚、家主側が税務局に新規契約通知(Form CR109政府のフォーム)(図6) を申告してある場合のみ、その通知のコピーが政府から借家人の所に送られてくる。

F. 諸経費について

電気水道ガスの開栓は保証金(Deposit)が必要だが、一般的には家主の手配で入居前に開かれる。その後使用料のみそれぞれ払えばいい。家主が開栓した場合、請求書は家主の宛名で届く。

1.電気代

2ヵ月毎に電気会社の人が室外の電気メーター室にあるメーターを読み取る。その数字に従って請求書 (図7図8) が届く。

2.水道代

公営部門・水道局から年3回請求書 (図9) が届く。水道局の人が室外かビルの屋上にあるメーターを読み取る。低用量の世帯は無料の場合もある。

3.ガス代

一般的にはガスメーターは台所に付いているから、自己報告することができる。自分でメーターを読み取り、電話して流れるテープの指示通りにボタンを押せば、申告できる。ガス会社の人が時々読み取りに来るが、留守ばかりで、しかも自己申告しないと、ガス会社のコンピューターが使用習慣により、勝手に計算する。メーター度数を調整するには、請求書 (図10) に書かれている指定期日に自己申告すればよい。それによって次の請求書で相殺される。ガスの請求書は2ヶ月一回届く。

4.管理費

毎月初めに管理会社から直接ポストボックスに請求書 (図11) が届くのが一般的。ビルの管理事務所に行って、直接払えば良い。時々ビルのロビーに支払い用の収集箱が用意してある。また指定の銀行口座に 振り込んでも良い。

ただし、契約時に家賃に含まれる内容で契約している場合には、オーナーより支払われる。

5.不動産使用税(Government Rates)

毎年1月、4月、7月、10月末までに、政府の税務局から請求書 (図12) が届く。1ヶ月以内に払わなければ、5%のペナルティーが追加されるので、注意が必要。

ただし、契約時に家賃に含まれる内容で契約している場合には、オーナーより支払われる。

6.電話代 (Telephone Line)

毎月電話会社(大抵”PCCW”)から請求書が届く。基本料金と国際電話(IDD)料金が併記されている。最近国際電話の市場化政策によりいろいろなIDD専門会社が出来て、かなり安い料金で海外に電話をかけられるようになったので、よく比較して利用してもらいたい。

電話の開線は通常借家人の名義で申請する。権利金はないが、設置料として (図13) HK$475請求される。また、IDD申請にあたっては、ほとんどの会社で保証金として、HK$500が必要。

7.Internet

エージェントでの申請が可能。月々だいたいHK$200前後、契約内容は18ヶ月契約となる。(18ヶ月以内に解約する場合には違約金が発生する。)設置には、申請から4日から14日間が必要。申請時に必要なものは、クレジットカードの提示、もしくは、デポジットHK$800の支払、希望のログイン名、IDコピーもしくはパスポートコピーとなる。

G. 賃貸契約書の全文(和訳)

下記の賃貸契約書の内容は、香港の法律と一般習慣によって作成されたものである。いわゆるStandard Formというものだが、借家人(下記参照)自身の主張も加えて、相互に納得することが大切。また香港では、英語と中国語のみが法定言語となるので、和訳の契約書は、正式なものとはならない。

賃貸契約書本契約は、2009年 月 日をもって、ここ許に添付の付属第一部に詳細に特定された一方の当事者、もしくは複数の当事者(以後「家主」と呼称)と、同付属書第二部に詳細に特定された他方の当事者、もしくは複数の当事者(以後「借家人」と呼称)の間で締結されたものであり、下記事項に両当事者が同意するものでる。

  • 本契約書に添付された付属書第七部に詳細に規定されている一切の不動産(以後「主題不動産」と呼称)について家主はこれを賃貸し、借家人が借り受けるもの とする。賃貸期間については同付属書第三部の詳細によるものとし、賃貸料は同書第四部によるものとして、暦月の第 日に先払いするものとする。
  • 本契約書により承諾された賃貸期間を通して義務が続く範囲内で、借家人は家主に対して下記同意する。
    • (a)上記の日付をもって、且つ上記手順に従って、本契約による賃貸料をなんら減額することなく支払うこと。
    • (b)主題不動産がその一部を構成する建物に関して、マネージメント料として補修維持費、光熱費、エレベーター運転及び補修作業に関わる経費を分担支払うこと。
    • (c)主題不動産にかかる徴税額―ガバメント・レーツ、及び電気、ガス、水道、電話レンタル料、さらに主題不動産に関して年次もしくは経常的に発生する支払経費を負担すること。(但し、香港政庁徴税額―ガバメント・レント、不動産税と資本もしくは経常外の支出を除く)
    • (d)借家人の経費でもって、必要に応じて主題不動産の内装と、その天井、衛生関係設備、水道装置を含む付属物を良好な状態に維持修理すること。 (但し、合理的と判断される摩耗と綻びあるいは構造上、固有及び潜在的な欠陥は除く)
    • (e)借家人の経費でもって、借家人の不注意により損傷した窓・扉・付属物・空調装置・衛生関係機器、危険・破損・不安定になった電気機器もしくは 配線をより取り替えること。
    • (f)あらゆる適切な処置を講じ、主題不動産の内部を風雨、台風、もしくは火災から守ること。
    • (g)家主もしくはその使用人及びその両方、あるいは家主が分署でこれを認めた者は何人であれ、本契約期間中の適当な時間帯に、事前予約で主題不動産の内部に入って、その状態を調べることを許可すること。さらに家主が借家人に対して文書を送付、もしくは主題不動産の現場に文書を残して、欠陥及び修理部分を通知した場合、その連絡があってから30日以内に良好な状態に復旧すること。但し、借家人が連絡を受けてから14日以内にその手直し工事にかからない場合、家主が主題不動産に立入り、手直し工事を実施するものとする。またその費用は借家人の家主に対する負債とし、直ちに法的処置により回収されるものとする。
    • (h)本賃貸契約の満期日もしくは終了の直前2ヶ月間は、家主は自由に主題不動産の外壁を妨害せずに、当該不動産の貸出広告を掲示できるものとし、家主もしくはその代理人が事前予約で、適当な時間帯に主題不動産全体、あるいはその如何なる部分も、新規賃貸申込者または購入者に見せるのを許可する。
    • (i)主題不動産の扉、窓もしくは外壁部分に、その種類を問わず広告、装飾類を提示または塗装しないこと。あるいは主題不動産の外部から見える場所 も同じとする。但し、家主の文書による同意があればこの限りではない。さらにこれに関する許諾を与えるたって、家主は絶対的な裁量権を有するものとする。 許諾のない場合、借家人もしくはその人物の何者たるかを問わず、その許可を得ずして家主は主題不動産に立入り、上記広告、装飾類を撤去できるものとし、そ の費用は借家人の負担とする。かかる撤去の経費は借家人の家主に対する負担とし、直ちに家主に対して支払われるものとする。但し、主題不動産が業務もしく は商業活動の目的で賃貸されている場合、借家人の商号または業務の種類、及びその両方の掲示についての家主の同意については、これは不当に差し控えられることがあってはならないものとする。
    • (j)契約の破棄に至る行為、もしくはその種類を問わず、不作為または制限約款の非遵守、あるいはまた家主が当局の規定に従って、主題不動産を維持している一般条件を無視するような如何なる行為もとらないこと。
    • (k)主題不動産がその一部分を構成する上記建築物の居住規則がある場合、これを遵守すること。さらに当該建築物の相互的捺印契約書があり、約束事 項と条件の掲載があれば、これも遵守すること。
    • (l)主題不動産にその種類を問わず、武器、弾薬、火薬、硝石、灯油もしくは特に引火性、可燃性のあるもの、もしくは危険物の貯蔵ないし持込みをしないこと。あるいは保持した場合、法令、規則もしくは定款に抵触するか、同じ建築物の他の部分に居住する人々、もしくは近所の建物に迷惑を及ぼす性格のものは、これを保持しないこと。
    • (m)主題不動産及びその如何なる部分についても、これを付属書第五部に詳細に規定する目的の為以外に使用してはならない。
    • (n)主題不動産、もしくはその如何なる部分の使用権も、これを第三者、もしくは法人に譲渡、転賃貸または手放さないこと。
    • (o)その種類を問わず不正もしくは不道徳な目的の為に、主題不動産を使用、使用許可もしくは使用させないこと。さらに上記建築物の廊下もしくは通 路、あるいは本契約により借家人が占有的に借り受けていない場所の如何なる部分にも、箱、塵箱、品物等を置いて妨害しないこと。
    • (p)家主の文書による事前同意を得ずして、主題不動産もしくはその如何なる部分に対しても、変更もしくは追加工事を実施あるいは実施許可をせず、 仕切り壁及びその取り付け備品の如何なる部分も、取り壊しもしくは撤去しないこと。さらに当該部分と取り付け物を良好且つ本質的に修理完了状態に維持し (合理的な摩耗と亀裂あるいは構造上、固有及び潜在的な欠陥だけは除く)、本契約期間の満了日もしくは中途終了時点で完全な修理状態にしておくこと。
    • (q)当面の火災損害に対する主題不動産、もしくは上記建築物に関わる保険証券が(要請があれば、家主は借家人に対してその写しを支給するものとするが、その費用は借家人の負担とする)が無効、もしくは無効の可能性になるような行為を行うか、かかる行為を行わしめないこと。また保険証券にある保険料率が増加し、本契約の約束事を破棄することで必要となるかかる証券の更新の為に、家主の保険料負担額及び一切の経費の形で家主に全額を再支払させるような 行為を行い、もしくは行わしめることのないこと。
    • (r)本契約の満了もしくは途中終了の時点で家主に対し、主題不動産を良好な修復状態にして占拠物がなく、且つ一切の取り付け物と共に家主に返却すること。正当と思われる摩耗と綻びあるいは構造上、固有及び潜在的な欠陥はこの限りではない。
  • 家主は借家人に対し下記同意する。
    • (a)借家人は、本契約による家賃と諸掛りを支払うとともに、契約事項を遵守すること(以後「借家人の条件」と呼称)により、主題不動産を平和的に これを使用することができる。この場合、家主もしくは如何なる者であれ、家主の権益を法律の名の下に主張する第三者も、借家人の立場に干渉できない。
    • (b)主題不動産に関して、政府徴税額、不動産税と資本もしくは偶然の支出を支払う。
    • (c)主題不動産の外壁および該当する場合はその屋根部分、さらに主排水配管部分を良好かつ適切な保全状態にする。但し、如何なる場合であっても借 家人は家主に通知を出して、もともとの修理欠如部分があればこれを検閲依頼するものとし、家主は合理的な時間をもってその時間内にこれを調査修理するもの とする。
  • 上記家賃の支払を遅滞なく行い、借家人の条件を実施且つ遵守させるために、借家人は家主に対し、添付付属書第六部に記載の金額を一時預託金の形で本契約書 署名の時点で支払うものとする。(当該支払額受領を家主はここに確認する。)本契約期間の満期もしくは中途終了後、かつ本契約による家賃諸掛りが正当に支 払われ、借家人の条件に違約がなかったことを条件に、一時預託金は借家人に返却されるものとする。但し、如何なる利息もしくは補償もないものとし、本契約 書第二条 (r)項に従って借家人が家主に主題不動産を返却してから15日以内に返却されるものとする。
  • 如何なる場合であれ下記条項について、両当事者がこれに同意するものとする。
    • (a)本契約による賃貸料について、その如何なる部分であれ支払が15日間遅延した場合、それが法的もしくは公式の命によるを問わず、もしくは借家 人の条件に対する違約があった場合、さらに借家人が破産、借家人が有限責任会社の場合で清算の場合(但し、合併または再編成の場合を除く)、また借家人に 対する破産申し立て、有限責任会社の場合にしてはその解散の申し立てが裁判所に申請され、あるいは借家人が債権者と和議もしくは会社整理を行うか、その資 産の差し押さえまたは執行処分を受けるような場合、家主は直ちに主題不動産の如何なる部分についても全体の名義でこれを再取得し、本契約期間が無条件に終 了するものとする。この場合、契約期間の終了により、借家人の条件についての違約行為に関わる家主の訴訟権はそのまま有効であるものとする。さらに家主の 被った、あるいは被る可能性のある損害の請求権も存続するものとし、家主がそれらの権利を行使する旨の通知を借家人もしくは主題不動産に残せず、法律に反対条項があってもこの目的に完全且つ十分であるものとする。
    • (b)本条約で要求される通知は、文書によるものとし、借家人に対する通知は如何なるものであれ、主題不動産宛、もしくは香港における最後に知らせた当人の住所宛に郵便で送付すれば、十分な通知がなされたものと解釈されるものとする。法人である場合にはその登記事務所宛とする。さらに家主に対する通知は如何なるものであっても、その時点で知らせている香港の住所宛同様に送付することをもって、正式に通知されたものとする。さらにこれらの通知書は、通常の郵便日数の経過後の日をもって受領されたものと看做すものとする。
    • (c)主題不動産または上記建築物、あるいはその部分を問わず、本契約期間の任意の時点で消火水、風雨、台風、構造の欠陥、白蟻被害、地震、地盤沈下、不可抗力もしくは家主の管理能力を超える災害により接近不能、破壊あるいは損傷し、居住及び使用に不適当となった場合、さらに家主の付保する保険が無効となると、借家人の行為あるいは義務不履行の結果、保険の全体あるいは一部の支払を拒絶された場合、あるいは本契約期間中、主題不動産もしくは上記建築物が、危険構造物として接収、取壊し命令あるいは閉鎖命令を受けて使用不能となった場合、本契約による賃貸料またはその公正と思われる部分は、被った損害もしくは命令の性格と程度に従って、当月の終了後、主題不動産あるいは上記建築物が再び接近可能または居住、あるいは使用可能な状態になるまで、支払を猶予されるものとする。但し、主題不動産もしくは上記建築物が復旧されなかった場合、家主もしくは借家人は、かかる損害、破壊あるいは命令があってから3ヶ月後の任意の時点に、相手方に対して文書による契約及びその全ての条項の解除を通知して、立入不可能状態にある主題不動産の破壊、損害、あるいは命令の日付をもって契約を終了することができる。この場合、先行する要請もしくは本契約の規定条件の違約についての命令に対して、両当事者の権利は侵害されないものとする。また、支払猶予が有効となる以前の支払うべき賃貸料についても、家主の権利は侵害されないものとする。さらにまた、主題不動産の条件もしくは現地の法的規制、あるいは家主の管理能力を超え、その実施が不可能または不合理である場合、家主はその程度を問わず、修理義務を負わないものとする。
    • (d)家主は借家人、あるいは第三者が被った他の居住者域からの水漏れによる損害について、責任を一切負わないものとする。借家人の怠慢または不注 意による主題不動産からの漏水により、第三者に与えた損害についてはその種類を問わず、損害賠償、訴訟手続きについて借家人は家主を完全に免費にするもの とする。
    • (e)家主は借家人、もしくは借家人の名の下に権限もしくは権益を主張する第三者に対し、次の事項についての責任は一切これを負わないものとする。 即ち、主題不動産の欠陥あるいは損傷状態により発生し得る危害、家主が取り付けた金物またはその一部分による危害。特に家主は、借家人もしくは上記第三者 に対して、次の事項についての責任は、一切これを負わないものとする。即ち、台風、火災避難、建築物またはその一部に付属する配管、あるいは電線からの漏 水、漏電、煙草の吸殻投棄、硝子の破片、または他の品物の投棄、さらに消火水の漏れまたは漏電、各階層もしくは近所からの床振動。但し、これらの事項が、 家主、その使用人あるいは代理人の重大な過失による場合を除く、さらに借家人、その使用人あるいは代理人による怠慢の結果、あるいはまた本契約による債務 に借家人が違約することから生じる結果について、家主に出された請求、要求及び訴訟経費など全てについて、借家人は家主を一切免費にすることに同意する。 また、主題不動産の任意の部分について、あるいは家主が取り付けた金具と備品の損傷について、借家人、その使用人あるいは代理人の怠慢、もしくは義務の不 履行の結果生じたものは、借家人が如何なる損傷であれその責任を負うものとする。
    • (f)借家人はここに、家主に対して次の事項について同意約束する。即ち、借家人もしくは借家人の認めた者による故意であるとないとを問わず、その 怠慢もしくは義務の不履行に起因する上記建築物の他の借家人及び第三者の一切の法の行為、訴訟手続き、請求、経費、及び要請に対して、家主を完全に免費とすること。
    • (g)上記建築物の他の借家人及び居住者、その被許諾権者及び被誘引者の行為、怠慢もしくは義務の不履行による借家人、その顧客、被誘引者及び被許 諾権者が被った損害(主題不動産に対するものか、借家人の資産であるかを問わない)については一切の責任を負わないものとする。
    • (h)本証書の目的の為に、借家人の代理人、使用人、被誘引者、訪問者及び被許諾権者の如何なる行為、義務の不履行もしくは怠慢についても、これらを借家人の行為、義務不履行もしくは怠慢と看做すものとする。
    • (i)家主及び賃借人(統合)法令(Landlord and Tenant (Consolidation) Ordinance)第7章、第三部『賃貸料の差し押さえ』及び本証書の目的の為に、主題不動産の賃貸料の先払いが本契約書第1条及び2(a)項に厳密に準拠して行われなかった場合、未納状態にあるものと解釈されるものとする。差し押さえ、訴訟行為を問わず、借家人の義務不履行の結果、家主が借家人からも未納賃貸料を回収しなければならない場合、借家人は家主に対して、下記同意する。即ち、一切の未納賃貸料に加え、借家人は家主の一切の法廷弁護士費用及び必要に応じ、個人的な弁護士料を賠償金として支払うこと。さらに家主の被る一切の法廷費用を支払うこと。
    • (j)借家人の側に本契約条項に対する違約のあった場合、賃貸料の受領、如何なる行為あるいは怠慢があっても、これら条項が破棄されたものと見做さないものとする。これは、法令とは無関係であるものとし、如何なる違約についてもその同意あるいは破棄について、家主の手元に文書の形でないかぎり、家主 に拘束力を持たないものとする。
  • 権利金、建設金もしくは類似の対価も、その種類を問わず借家人から家主に対して支払われていない事を、ここに明文化するものである。
  • 本契約書とその写しの作成、署名及び必要とされる場合はその登記に付随する一切の弁護士費用と支払経費については、当事者間で均等に負担するものとする。
  • 本契約書に於いて、(文書の前後関係から解釈もしくは必要とされる場合)、単数だけを意味する用語は複数を含むものとし、この逆も適用されるも のとする。男性のみを意味する用語も女性と中性の両方を含むものとする。さらに人を意味する用語は、会社もしくは法人も含むものとする。

文中に言及された付属書

家主の名称、住所及び説明: 第 I 部
借家人の名称、住所及び説明: 第 II 部
契約年数: 第 III 部 (第1条)
課税額及び管理費を含まず賃貸料の月額: 第 IV 部 (第1条)
主題不動産の許可された使用者: 第 V 部 (第2m条)
賃貸預託額: 第 VI 部 (第4条)
主題不動産: 第 VII 部 (第1条)

備考:

上記の証左として、頭書の日付をもって両当事者がここに署名した。
家主署名
立会者
借家人署名
立会人署名
当事者に対する説明者署名

当初の日付をもって借家人から、計                         を主文に明文化されている家主に対する一時預託金として受領したことを確認する。

立会人署名