入居後のフォロー

住みはじめてみると、次から次へとトラブルは起きてくる。契約上の問題やら、家主とのやりとりなど大きな問題は勿論大変ですが、住居内の細々としたトラブルも頭痛の種。第一不動産ならば、入居後もフォローしてくれるので安心。
水漏れ / 電気系統 / 契約上トラブル / 雨漏り / ガス / その他

水漏れ

香港で最も困るのは水漏れでしょう。特にトイレ用の水には海水を使用していることが多いので、パイプの老朽化が早く、レバー、バルブ等の部品交換、修理で直る場合は問題ないのですが、水圧、配管等構造上の問題がある場合は、大工事が必要なため自分で負担するのは大変。

一般的な賃貸契約には室内のパイプの見える部分はテナント負担で維持、壁の中か室外のパイプは家主負担という文章が入っています。いきなり天井から水がしみ込んできた等の時には、家主に至急連絡する必要があります。もし家主に無視された場合は下記の通りの対応をお勧めします。

  1. 専任不動産会社にアドバイスしてもらう。
  2. 管理事務所に連絡して対応してもらう。
  3. 状況が厳重な場合は、契約により、居住不適応の理由で解約できる場合もある。
  4. 香港政府の水漏れ等に関しての各苦情を受ける専門部門 Building Department / Food and Environment Hygiene Department Joint Office 3589-4902 に依頼する。(隣家の欠陥による水漏れ等トラブルが発生した場合に限る)

尚、 断水の場合は、よくある事なので、管理事務所に連絡すれば、事情は必ず判る。断水の理由は

  1. ビルの貯水池が毎月定期掃除を行なう為。
  2. 同じビルのどこかの水回りのトラブル発生で、修理の為にビル全体の水道を臨時断水している。
  3. ビル付近の水道管の設置工事の為。

電気系統

亜熱帯気候の香港。この高湿度と大気中に含まれている塩分は建物の老朽化を早め、様々な社会問題にもなっています。例えば、外壁がいきなり剥がれ落ちて歩行者に当たったり、ビルの排水管に穴が空いて汚水が外に飛び出したりなど。当然電気系統にもトラブルをきたしやすく、まして香港の電圧は240Vと高いため、電化製品の寿命は短く、故障も発生しやすい状況ですので、下記の点に注意して下さい。

  1. 香港の電圧と違う電化製品を使用しないこと。特にアイロン、電子レンジ等の容量の大きい物は、変圧器をつないで使用するとブレーカーが落ちる原因になり兼ねません。
  2. 電化製品を急に消したりつけたりしないこと。コンプレッサーが付いているエアコンや除湿機等は、傷みやすい上、修理費用も相当高くつきます。
  3. 浴室でたくさん電気を使う場合は、必ず換気扇を回すこと。漏電の原因になります。
  4. 電球交換の際にはワット数を確認すること。容量を越えた物を付けると照明の回線が傷みます。また電線回路の修理は、電気専門のライセンスを持っている業者でなければできません。
  5. 電化製品の修理は、なるべく、メーカーに頼むこと。料金は多少高くなりますが、修理後一ヶ月以内に同じトラブルが起きた場合、無料で再度修理してくれます。
    (各メーカーの修理のお問い合わせ電話リストは、ここをクリックして下さい。)
  6. 停電、漏電のお問い合わせは: 九龍及び新界 2728-8333 香港島 2555-4000 です。

雨漏り

香港の7~9月は台風の季節です。大災害までには至りませんが、山の土砂崩れ、道路の浸水、通行止めなどで、数日間の不便を被ることがしばしば。台風シグナル8が出ればむしろお休みをもらえて喜ぶ人もいるのでは。

それには関係なく、どんな日でも出社しなければならない日本人サラリーマンの方々は、おまけに雨が四方八方から家の窓や壁に染み込んでくるから踏んだり蹴ったり。

こんな時はすぐ家主に連絡しましょう。窓をしっかり閉めたにもかかわらず雨が染み込んでくるのは、確かに家主の責任となります。アルミの窓枠は、防水ゴムで壁にくっついているかどうか、最上階の部屋の場合、天井など防水工事をしてあるかどうか、契約する時に家主と確認しておくことが大切です。また、エアコンを取り付ける際には、少し斜めにしないと雨が本体に逆流し、隙間から染み込むこともあるので、要注意。

主な防水工事とその料金は、1》窓枠の防水ゴムの補強(HK$300~500)、厳重な場合、窓全体を外し、新たに防水セメントをつける(HK$1000~3000)、2》コンクリートの老朽化でパンの様に水が染みてくる場合、1: 防水シートを入れる、2: 防水ペンキを塗る、3: 外壁のタイルを貼り換える(HK$5000~10000)です。

ガスのトラブル

都市ガスの トラブルは、大抵ガス漏れ、ガスレンジが点火しないなどです。ガス会社が請求する料金には、毎月維持代(2009年現在はHK$9.50)が含まれているので、トラブルが発生した時には、ガス会社に電話すれば無料 (但し修理代のみ、パーツ交換等は有料) でしかも迅速に対応してもらえます。

契約上トラブル

1. 満期以前の退居をめぐるトラブル

賃貸契約は2年契約が常識ですが、日本企業派遺の駐在員の場合、いつなんどき帰国命令が出るともわかりませんので、適切な契約状態は、一般に1年フィックス1年オプションと呼ばれるものです。2年目は2ヵ月前の通達を果たせば敷金返却の通常解約ができ、また1年契約と 違って賃貸料の値上げの心配がいらない上に、大家には事前通達を条件にして退去要求をする権限はないという、テナントに有利な契約状態です。満期終了前の退居において発生するトラブルの多くは、契約書上にテナントの有する権利が明確に記されていないことに起因します。選択幅の説明がないままに2年フィックス契約になっていたり、ただ“one year fixed one year option”という一文があるだけだったり。その場合、満期以前の契約が契約不履行となり、大家が満期までの差額金額の支払いを要求してくるケースがほとんどです。「1年フィックス 1年オプション」というのは便宜上の言い方で、契約上では“Early termination clause”或いは“Break clause”という表現、もしくはもっと具体的に文章によって、2年目の退居に関してテナントが保護される旨が記されているべきなのです。契約書の内容確認は怠らない ようにしてください。すでに、契約不履行という形で満期終了前の退居でトラブルが発生してしまった場合は、前記のような大家の要求を受けると思いますが、 必ずしも全面的に要求をのまなくてはいけないものでもありません。交渉によっては、敷金放棄で済むケースもあるので、間に入った不動産業者か弁護士に相談することをおすすめします。「1年フィックス1年オプション」といわれる契約形態は外国人に特有のもので、一部のローカル不動産業者は不慣れの場合がある ことを付け加えておきます。

2. 契約更新における法的手続きの基本知識

今まで家主が自己の理由のみで契約終止を希望する場合には、契約期限の切れる 6~7
ヵ月前までに契約終止通知書 (図)(Form CR 101:政庁のフォーム)を借家人に提出しなければならなかったが、 2004年7月9日以降の新規契約については、新しい法律の Landlord and Tenant (Consolidation)(Amendment) Ordinance 2004 に基づき、契約終止通知書は廃止され、家主は理由、通知などの手続きをせずとも、契約期限が切れた時点で部屋を回収することが出来ます。つまり、法律上では家主の立場は有利になり、以前のような借家人に対して有利的な時代は終わったと言えるかも知れません。賃貸市場が活発化している中、契約更新される場合にはその時のマーケットプライス(相場)も考慮の上、両者の合意の上でお手続きされることをお勧めします。交渉スタートの時期ですが、契約終了の2ヶ月ごろ前から不動産業者を通して家主に打診を掛けていくことが良い結果につながるコツかと思います。

3. 不動産使用税の支払責任

香港で住宅を賃貸すると、家賃と管理費の他に「ガバーメント・レーツ」 (Government Rates: 不動産使用税)と呼ばれるものを納める必要があります。広東語で「差餉」といいますが、これは昔、警察 (( 差 ) の維持費 (( 餉 ) として市民に課せられたことが名の由来です。現在では警察、消防、教育、病院等の公営設備の運営費用に充てられています。このガバーメント・レーツの算出法は、政府が査定した該当物件の年間賃貸料の5%。それを年間4回に分割して納入することになります。賃貸契約書には記されていないことが多いのですが、一般的には物件の使用者が払うことになっています。もし、賃貸人が支払いを拒否した場合、政府は賃貸人と大家を同時に追徴してきますので、この点を契約書に明記し、契約の段階で相互ともに理解しておくべきでしょう。また、政府の査定値やガバーメント・レーツの比率は毎年変動する可能性があるので、賃貸人側の面倒を省くためにも、ガバーメント・レーツ込みで賃貸料をネゴシエートするのが得策です。特に、新築マンションの場合、査定に手間取るので一般的に最初の2年間は政府も請求書を発行せず、その後に一括して請求してきます。トラブルを回避する意味でも、新築マンションの場合は特にレーツ込みの賃貸料を交渉することが多いといえます。

4. 土地賃貸料の支払責任

ガバーメント・レーツ (Government Rates:不動産使用税) のほかに、ガバーメント・レント ((Government Rent:土地賃貸料) というものが、中国返還にあたり浮上してきました。香港政庁は今まで、香港の土地を大抵999年、99年もしくは75年といった リースで、ディベロッパーに売り出してきました。香港サイドは長い年期のリースが多いのですが、九龍サイドと新界は1997年6月末でそのリース期間が終了した所がほとんどです。なぜなら英国は拓展香港界址専条により、1898年7月1日から九龍界限街以北と新界の土地を中国から “99年リース” という形で借りたからです。そのため 1997年7月以降、不動産の持ち主にこのレントを追徴することになりました。算出法は、香港政府が査定した該当物件の年間賃貸料の3%で、年間4回に分けて別途のレーツ (年間賃貸料の5%) と一緒に請求されることになります。最近の新規賃貸契約、特に九龍サイドと新界の場合、このレントの支払責任をどちらが持つかというトラブルが起こらないよう、十分気を付けて下さい。

5. 管理費の支払責任

日本で共益費と呼ばれているのが、香港の管理費にあたります。日本と同様にテナントの負担になるケースが多いのは、ご存知のことと思います。管理費の内容は、ビルの一般補修維持費・共用部分の光熱費・清掃費エレベーターの運転及び補修作業に関わる経費等で、ビル内の他の住民と分担して支払う形になっています。ここで日本の方々に知っておいてもらいたいのは、「管理費は、外壁の修理や外観保持のための経費もしくは偶発のケースに関する支払いにも使われる」ということです。商業物件は、家賃と管理費が別々で計算されているのが通常ですが、住宅物件は、管理費込みの家賃を契約内容に入れてもらうことをお勧めします。

6. オーナーが突然替わったら

オーナーが不動産を売買するにあたり、物件によっては既に賃貸に出されている物もあり、このような場合「賃貸契約付物件」として売られることになります。即ちオーナーが途中で交替し、新オーナーは必ず前オーナーの賃貸契約を引き継ぎ、契約満期の際には敷金をテナントに返金しなければなりません。日本の駐在員の皆様は、突然弁護士からオーナーがいつ替わる、或いは既に替わったので、いつから家賃をどこの口座に振り込んで下さいといった通知書を受け取ることにな るでしょう。この様な事態は、香港の事情に不慣れな日本人の方にとっては、大変不安なことだと思われます。

しかし専門的かつサービス良好な不動産業者なら、オーナーが交替したことにより発生するだろう面倒な事態にも対応していくことが出来ます。例えば新オーナーに、いつからこの物件のオーナーになり、賃貸契約満期時には前オーナーから引き継いだ敷金などを返金する旨承諾するといった項目が書かれた「覚え書」 にサインしてもらいます。この「覚え書」は必ず作る必要はなく、また新オーナーも必ずサインする必要はありません。全ては交渉となりますが、もしこれがあ れば、[1.]日本の本社に対しオーナー交替の明確な説明ができ、[2.]証明書があることで安心でき、更に、[3.]新オーナーとのコミュニケーションの道にもなるので、将来契約更新などの時にも役立つことでしょう。

7. バンク・コンセントについて

銀行ローン支払い中の不動産物件を賃貸に出す場合、原則的に、家主は事前に銀行にその旨を通知し、銀行許可証(Bank Consent)を取得する必要があります。銀行は、いくつかの審査基準に照らして許可証を家主に発行しますが、それには数千ドルの手続を料を支払うほかに、毎月のローン利息が1~2%増額します。一般的には、家主の大多数が増加する負担額を厭い、銀行への通知を無視しているのが現状でバンク・コンセントの提出を要求するテナントには賃貸料を大幅に値上げするか、契約を拒否するかのどちらかです。

仮に家主が破産などによってローン支払い能力を失った場合、銀行は調査によって賃貸者の存在を把握したら、家主に追徴金を科するうえに、賃貸者に立退きを要求することもあります。

以上の当地事情から、実際に家主が債務問題に巻き込まれない限り、銀行はめったに賃貸者の存在を調べないので、賃貸者がバンク・コンセントの提出を家主に要求することは少ないようです。

その他

『洗濯機の‘やなにおい’対処法』 !

洗濯機のいやなにおい 冷蔵庫と洗濯機は、いまや各家庭において必須の家電ですが、 困ったことに、使っているうちにだんだんいやなにおいがしてくるものです。 特に洗濯機のにおい、これは、洗剤や柔軟剤をどんなに使用しても、効果なし! せっかく洗濯して綺麗になるはずの衣類が、もっといやなにおいになってしまうことも。

もし、そのまま何もしないで放っておくと、洗濯機の槽内には無数のカビ菌が発生します。 それらカビ菌が洗濯物に付着すると、抵抗力の弱い方がアレルギー反応を起こしたり、あるいは傷口から体内に入り込んでしまうことさえあるそうです。

洗濯機の悪臭という問題に遭遇したら、まずは、洗濯機の内側についているごみ取りネットを開け、その中に溜まっている繊維のくず・洗濯機や柔軟剤のカス・髪の毛などのごみを取り出しましょう。 そして、工業化学薬品店で購入できる油汚れ落とし用の洗剤(通称‘黄粉’)で、クリーニングしましょう。 クリーニングのやり方は、 洗濯機の中にある洗剤ホルダー(洗剤を入れる部分)に2ティスプーン分の‘黄粉’を入れ、 空のままで洗濯機を1~2回回すのみ。 こうすることによって、洗濯機内のごみ取りネットや排水パイプに溜まった汚れを、溶かしつつ一気に流し出すことができます。

悪臭の再発を防ぐには、日ごろから常に洗濯機のふたは開けて洗濯槽内を乾いた状態で保っておくこと。 それから、毎回洗濯が終わったら洗濯物をすぐに取り出し、決して濡れたままの洗濯物を洗濯槽内に放置しないこと。 さらに、1~2ヵ月ごとに1度の頻度で、適量の酢を満水状態の洗濯機に入れ、洗濯機の空洗いをしましょう。 また、普段から洗剤や柔軟剤の使用量は少なめに。 でなければ、洗剤や柔軟剤の洗い残りが蓄積し、それが発酵して悪臭を放つこととなるのです。